統計的にみた大阪府民の健康状態

 
水野孝子
   
  大東市と大阪府の皆様方は、大阪府民の健康状態が死亡統計からみて、日本中で文字通り最悪であるという事実をご存知でしょうか。

健康指標の一つである種々の原因による死亡率、特に病気による死亡率を色々な地域で正しく比較するためには、対象とする各地域の人口構成の違いの影響を受けないように、すべての地域が同じ人口構成を持つとして計算した年齢調整死亡率が使われます。

日本では人口構成の基準として昭和60年の日本全体のものを用います。前回国勢調査の行われた平成12年の全死因の大阪府の年齢調整死亡率は、人口10万対で男性683.8、女性347.8でした。これは全国平均の男性634.2、女性323.9に比べはるかに悪く、全国47の府県別にみると少ない方から男性は45、女性は47番目でした。その内、全癌による死亡率は男性245.0、女性117.2で全国平均の男性214.0、女性103.5に比べてこれもはるかに悪く、男女とも日本最悪の47番目でした。

大阪府は癌の中でも肝癌が多いことが特徴的で、その死亡率は男性43.4、女性14.3と全国平均の各々28.2、8.8に比べて非常に高く、順位も低い方から各々45、47番目でした。
ちなみに、この年の大阪府の平均寿命は男性76.97歳(全国平均77.71)、女性84.01歳(全国平均84.62)で大阪府は高い方から各々43、46番目でした。
更に大阪市の肝癌の年齢調整罹患率(発生率)も世界的にみて非常に高く1983〜1987年では人口10万当たり男性41.5、女性9.7とオーストラリアの各々1.8、0.6という値に比べ著明に高く、又、この癌の多い中国上海の30.6、10.7,韓国の13.8、3.2と比べても同じかそれよりも高いのが事実です。

このような事から大阪府の健康対策、特に癌対策は、特徴的に多い肝癌とその原因となっているB型、C型ウイルスによる肝炎に向けられることが重要です。
現在では、ウイルス肝炎の半分近くは、インターフェロンや他の抗ウイルス薬により治癒し、肝癌の発生が抑えられますので、これこそ実質的に有効な健康対策となります。

市民の皆様方は市の行う検診、とくに肝炎ウイルスに関する検診を積極的に受けられ、肝炎ウイルスに感染している時は、直ぐに医療機関を訪れて治療に関する相談を受けて下さい。多くの方々にこのようにしていただいて、まず肝癌死亡が半減すれば、大阪府民の全国最低の健康状態の汚名を返上出来るでしょう。
 
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