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今年の夏は、滅法暑い。いきおいプールや海水浴に行かれる機会も多くなるだろう。
そのとき眼科で問題になるのが結膜炎である。その中でも“はやり目”と言ってウイルス性の“流行性角結膜炎”は伝染性が極めて強いので問題になる。学期中であれば1〜2週間、登校禁止になる。勿論プールはダメ。この“はやり目”というのは、充血、眼脂、眼痛が著しく夜も熟睡できなくなるし、またリンパ腺がはれたりもする。また、一日に何回となく点眼の必要はあるわ、眼科は受診しなくてはいけないわ、家族からはバイキン扱いされて風呂は最後になるわと、とんでもないことになるのである。
この流行性角結膜炎の“角”というのは何ですかという人もいるだろうが、これが中々やっかいで“角”というのは角膜のことで、この病気の何十パーセントかが角膜炎をおこす。何週間も眼痛、視力低下で苦しむことになるが、眼痛がなくなっても、かすみが一年あるいはそれ以上続くことがあって厄介である。最近は病院内での感染が問題になっている。さて、プールでの感染であるが、なんでもプールの水は一回入れ替えるのに、10万円以上かかるらしい。このような不況の時代からか、最近は消毒の塩素の濃度が高いという話もあって、プールから上がると、目が痛い、目が真っ赤という子供も多いようだ。目を慣らせるのが水泳の基本のように思っている先生もいるようだが、ゴーグルはしたほうがいいだろう。特にアレルギー性結膜炎の子供においてはである。しかし、ゴーグルはオリンピック選手なんかは、テレビで見ていると皆装用しているから、ゴーグルをしていては水に慣れないというのは、ほとんどウソということになる。
それでは、海水浴なんかは“はやり目”でも泳いでいいかということになるが、なにせ水の量が多いから問題にならないようだが意外と海水浴に行ってから目が真っ赤になったといって受診する人も多い。
経験のある方も大勢おられると思うが、ニコッと笑いながら何食わぬ様子で用を足す人も多いから、海から上がったら必ず、シャワーをすることだ。また、海に限らずプールでも、水から上がったら、目は水道水で洗うことである。水道水もカルキが入っていて刺激を感じる人は、ソフトコンタクトレンズ装用時に使用する“ソフトサンティア”がお薦めである。これは防腐剤が入ってない点眼液で、長期に渡って使用しても構わない。これを2−3滴点眼すると、目尻や目頭から点眼液がしたたるから、十分洗眼効果がある。しかし、防腐剤が入ってないので、一週間ぐらいで新品に取り替える必要がある。
余談だが、私どもの診療所では“はやり目”の患者さんは手にもウイルスが付いていると思われるから、その手で受付で治療費を払ってもらっては困るので、必ず消毒石けんで手を洗ってから帰ってもらっている。とかく“お金”は汚い。
昔から言われていることだが、外から帰って来たら、ウガイ、手洗いを励行することである。科学が進んだのと、先人の知恵は同格である。 |